シリアの熱い風
ダマスカスの空港を降りると乾いた熱派のような風を感じた。
少しホコリを含んだカラカラの空気は、中国の黄砂を思い出させる。
機内から眺めていた砂漠を実感する空気だ。
約1.5トンになるカウンターチェックインの機材をカミオンに積み上げ、自分の荷物をバスに押し込む。機材はこの他にカーゴ通関して別ルートでコンサート開催地へ向かっている。
さあコンサートツアーの始まりだ。
世界に平和のメッセージを伝えるために始まった ポエムと即興演奏によるピアノや和太鼓、シンセサイザーの共演。
そこに照明と映像のコラボレーション。
若い頃にステージで背負う映像の創世記をアメリカで体験して、演奏との同期システムやリアリティエンジンを扱ってきただけに懐かしい現場だ。
仲間とバスでダマスカス市内に向けてよく舗装された道をひた走る。
道すがら、あちこちに人の顔写真の看板が目立つ。
シリアでは大統領選挙の真っ最中なのだ。
道の路側に植えられた緑の景色がビルの並びに変わりだす。
クーラーの室外機をブドウの房のように貯えたビルが異様だ。(集合空調が少ない)
ビルの屋上にはパラボラアンテナが所狭しと並んでいる。(共聴アンテナでない)
街角には候補者の大きなテントが大音量の音楽を流し支援者が踊っている。
今回この国の大統領選挙は現職が圧倒的に有利な状況と言われている。
なにかお祭りのような選挙合戦を横目で見ながらコンサート会場となるオペラハウスへ。
大統領夫人の肝いりで文化庁の協力体制も良く最高の施設を提供してくれている。
心配していたインターネットの回線も、さすがに役所の手配でホテルのそれとはまるで違う。
映像を現場でエンコードして東京のビデオサーバーまで安定して送るためには接続回線のスピードより、ホップ数の少ないIX(インターネットエクスチェンジ)に近い上流のプロバイダーとの接続が望まれる。
上出来な品質だ。
残りは映像を撮影する現地クルーだな。
シリアでは国営放送が協力してくれる。
お手並み拝見だ。
続く
おのりん
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